楽天のポイント運用は投資未経験の人に投資を慣れてもらうために始まったサービスで、これをきっかけに楽天証券口座を作って本格的に投資を始める人も結構多いみたいです。
位置付けとして投資の疑似体験サービスなので、そんなに儲からないように設定されている・・・というのが相場なのですが、よくよく調べると意外とそうでもないことがわかりました。
特に税金面でポイント運用が有利になっているので、ポイント運用のほうが優れていると考える人もいるかもしれませんが、絶対に楽天証券でポイント投資したほうが良いです。
この記事ではその理由について紹介していきます。
Contents
楽天のポイント運用とはなにか?
ポイント運用は楽天会員アカウントを持っていれば年齢問わず誰でも投資を行えるサービスです。
もちろん証券口座とか銀行口座を開く必要もないので、小学生でも投資を始めることができちゃいます。
ポイント運用を行うのに必要なのが、通常ポイントを最低100ポイント以上持っていることで、100ポイント、200ポイント、300ポイント・・・と、100ポイント単位で投資するポイント数を選べます。
ポイント運用で投資できるコースは予め2つのみと決められていて、
- アクティブコース(株式70%債券30%)
- バランスコース(株式30%債券70)
このどちらかを選択して投資することになります。(両方のコースに同時投資も可能)
ポイント運用でより大きな利益を出そうと思ったら株式の比率が多いアクティブコースの方を選ばないといけないので、これ以降は全てアクティブコースに投資することを前提で話していきます。
ちなみに私もポイント投資をしながらも、ポイント運用で投資を実験的にやっています。
合計で3100ポイント投資してますが、リターン0.2%で8ポイント増えています。
プラスになったりマイナスになったりを繰り返していますが、ポイント運用の成績は基本的に長期的目線で見る必要があるので、淡々と続けていくのが大事です。
楽天・インデックス・バランス・ファンド(株式重視型)の評価
ポイント運用のアクティブコースは楽天 インデックス バランス ファンド(株式重視型)というファンドに連動した値動きをするようになっています。
2019年6月現在、純資産は9.45億円とあまり多くはない金額ですが、右肩上がりで増えつつはあるのでとりあえず順調と言えるのではないでしょうか。
それでファンド自体の評価はどうかと言うと、30%の債券への投資はいいとして、70%の全世界株式のほうがあまり評判がよくありません。
似たようなファンドに楽天・全世界株式インデックス・ファンド(楽天VT)というのがあり、こちらは100%世界の株式に投資するファンドとなっています。
債券が含まれていない分リスクは高くなりますが、よりリターンを求めたいならこちらのファンドのほうがおすすめです。
しかしこれがeMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー)に手数料の安さで負けていて、投資ブロガーの多くが全世界株式に投資するなら楽天VTよりスリムオールカントリーをおすすめしています。
ポイント運用とポイント投資の比較
それでは次に楽天証券でのポイント運用とポイント投資について比較してみましょう。
ポイント運用 | ポイント投資 | |
コース数 | 2コース | 2600コース以上 |
積立設定 | できない | できる |
引き出し | ポイント | 現金 |
利用可能ポイント | 100ポイント以上50万ポイントまで | 1ポイント以上50万ポイントまで |
楽天証券SPU | 達成できない | 達成できる |
結果は明らかに楽天証券のポイント投資のほうが有利ですね。
2600以上ある投資信託の中から自由にファンドを選ぶことができるので、より積極的にリターンを求めることもできますし、SPUも達成できるのは嬉しいです。
こうしてみると議論の余地なく楽天証券のポイント投資が有利、で終了しそうですが、ここからが本題です。
ポイント運用とポイント投資の税金の違い
株式投資は利益分に約20%の税金がかかります。
投資信託を一般口座で運用すれば年間20万円までは税金がかからないというのもありますが、万が一超えてしまうと確定申告が必要となりめんどくさいので、多くの人は確定申告不要の特定口座で運用しています。
ポイント投資で仮に10万円利益を出したとしても、約20%税金が取られるので、自分の手元に残るのは8万円という計算になります。
一方ポイント運用は利益分が全てポイントで返ってきますが、ポイントで利益を得た分はどう扱われるかというのは現状はっきり決まっていません。
50万円まで税金がかからない一時所得とする見方が有力なので、ここでは一時所得として考えます。
そうなると、同じようにポイント運用で10万ポイントの利益を出しても税金が一切かからないので、10万ポイント丸々手元に残ります。
10万ポイントの利益を出すにはどれくらい運用が必要なのか?
10万ポイント分儲けるというのはかなりの元手が必要となってきます。
投資信託は一般にイメージされるような株取引と違って大きくは儲からないようになっていますし、アクティブコースは債券も含まれているので派手なリターンは出にくいです。
仮にリターンが5%と考えると、10万ポイント分の利益を出すには200万ポイントの運用が必要となります。
ポイント運用のサービスが始まった頃は、各コース3万ポイントずつまで、つまり合計6万ポイントまでしか投資できなかったのですが、現在は1ヶ月に50万ポイントまで投資可能になっています。(ダイヤモンド会員のみ)
なので4ヶ月連続上限の50万ポイントを投資していけば200万ポイントを投資するということも一応可能です。
こうして考えると、50万円を超えないぐらいの利益であればポイント運用で投資したほうが儲かるのではないかという気がしてきます。
なにしろポイント運用は通常であれば取られる利益の20%の税金が一切取られないので、かなり有利です。
ポイント投資で100%株式投資の楽天VTよりポイント運用でアクティブコースを選んだ方が手元に残る金額(ポイント数)が多いということも普通にありえます。
100万ポイントでリターン4%→4万ポイントの利益
100万円でリターン5%→約20%の税金→約4万円の利益
100万円でリターン6%→約20%の税金→約48000円の利益
ポイント運用とポイント投資、どちらのほうが儲かるのか?に対しては、ポイント投資でどのファンドに投資をするかにもよりますが、似たようなファンドへの投資ならポイント運用のほうが儲かる可能性もあるというのが結論です。
ポイント運用の致命的なデメリット
こうしてみるとポイント運用の税金がかからないというのはかなり大きなメリットに見えます。
楽天証券のポイント投資なら2600以上のファンドから自由に選んで投資できる自由度もありますが、地雷みたいなファンドを選んでしまう危険性もありますからね。
なので初心者にはアクティブコースへ投資するほうが良いファンドを選べていたということもあるかもしれません。
しかしそれ以上にポイント運用への投資には、致命的なデメリットが存在しています。
ポイントが全額没収されてしまう危険性がある
ポイント運用の致命的なデメリットは、いきなり全ポイントを没収されてしまうかもしれないということ。
楽天のポイントは楽天証券で買付けをしたり、楽天Edyなどに交換して使えば現金と変わらないように使うことができます。
ただ、あくまでポイントなので、楽天が倒産したりポイント制度を撤廃すると言えばいくらポイントで利益を出していても使えなくなってしまうので、意味がなくなってしまいます。
しかし本当に恐ろしいのがアカウント停止をされても同様にポイントを使うことができなくなってしまう危険性があります。
楽天のアカウント停止される原因としては、複数アカウントを作成したり楽天市場で注文→キャンセルを繰り返したりするというのがあるようですが、これらに心当たりのない人もアカウント停止を喰らうことがあるようです。
常識的に使っていればアカウント停止を喰らうことはないとは思いますが、気づかないうちに規約違反をしてしまったらそれだけでポイントは全額没収されてしまい、現金化することももちろんできません。
しかもアカウント停止をされた人にはその理由も教えてもらえないみたいですしね。
それを考えると楽天証券ではなくポイント運用に10万とか100万ポイント以上投資するのはちょっとリスクが高すぎるかなと思います。
ポイント運用サービスは10年後も存在するか?
投資信託は短期的な売買は向いておらず、10年あるいは20年と長期投資が基本となっています。
それ故に安心して長期的に投資できるかどうかというのも重要になってきます。
そう考えるとポイント運用は10年、20年後も存在するかかなり微妙なところだと思います。
なにしろ疑似サービスですから、ポイント運用で体験してもらってたくさんの顧客に楽天証券口座を開設してもらって役目を果たしたと判断されれば、すぐにでもポイント運用サービス自体なくなってしまうかもしれません。
仮に500万ポイント運用していたとすれば、ポイントが全額戻ってきたとしても1ヶ月に使えるのは50万ポイントまでなので、楽天での買い物や楽天証券のポイント投資に回し切るまでに10ヶ月かかってしまいます。
総合して考えれば、税金面でのメリットがあっても、楽天証券でポイント投資をしたほうが絶対いいです。
まとめ:ポイント運用よりポイント投資のほうが絶対良い!
ポイント運用とポイント投資は、ポイント運用にも税金面でのメリットはあります。
しかし、自由にファンドを選べるのとアカウント停止の危険性を考えたら、圧倒的に楽天証券のポイント投資のほうが良いというのが結論です。
なぜか合計6万ポイントから1ヶ月50万ポイントの投資が可能となって疑似体験の枠超えたサービスになっているポイント運用ですが、あくまで体験に留めるのが正解ですね。