チェス

大富豪ビル・ゲイツvs世界チャンピオンのチェス対決を解説

カールセン ビル・ゲイツ

2019年9月現在、世界の大富豪ランキング2位のビル・ゲイツが現世界チャンピオンのマグヌス・カールセンと対戦した動画があります。

それがこれ。

 

チェスなので駒を落とすといったことはせず、ビル・ゲイツの持ち時間が2分、カールセンが30秒と、持ち時間でハンデをつけた対局です。

もちろん時間が切れたら負けなので、1手に1秒も使ったら考えすぎなぐらい、カールセンが圧倒的に不利です。

ですが、大富豪と世界チャンピオンという天才同士の1戦は世界チャンピオンのカールセンの圧勝!

一体どういう内容だったのか、棋譜を振り返ってみました。

 

ビル・ゲイツvsカールセンの序盤戦

白番がビル・ゲイツ、黒番がカールセンです。

ビル・ゲイツの1.e4は白番の初手で最も多く採用される1手。

対してカールセンの初手Nc6はかなり珍しい1手で、手元のデータベースでは9番目に多く採用されるよう。

 

 

そして2.Nf3はナイトを活用した自然な1手に対して、カールセンはd5といきなりポーンをぶつけていきました。

 

 

ここで白のビル・ゲイツは3.Bd3とポーン取りを受けます。

 

 

これはあまり良くない1手で、dファイルのポーンを突くことができないので、黒マスビショップやクイーンが使いにくくなっています。

Bd3に対し、Nf6とポーンにプレッシャーをかけ、4.exd5 Qxd5と進みます。

 

 

クイーンは1番強い駒ですが、同時に狙われやすい駒でもあるので、序盤戦ではあまり中央に動かさないほうがいいとされています。

しかしカールセンはそんなこと関係なくクイーンを中央に繰り出していき、5.Nc3のクイーン取りに対してQh5と逃しました。

6.O-Oとキャスリングをする手にBg4とナイトをピンします。

 

 

ブラフの1手に対応できずチェックメイト!

Bg4に対して何も受けないとBxf3からダブルポーンの形になってしまい、陣形を乱されてしまいます。

そこで1度d3に上がったビショップなので悔しいですが、Be2と引いて受けるのが最善の1着です。

しかし実戦は7.h3と催促をかけます。

これにはBxf3 7.Qxf3 Qxf3 8.gxf3と進めて黒は勝ちを、白はドローを目指して戦うのが普通の展開ですが、カールセンはこの時点で22秒しかないので、クイーンを盤上から消してしまうとチェックメイトできず、時間切れ負け濃厚になってしまいます。

そこで7.h3にNe5と勝負手を繰り出しました!

 

 

しかしこれはブラフで、コンピュータの解析でも悪手と判定しています。

実戦は8.hxg4 Nfxg4と進みます。

 

 

ここでビル・ゲイツは9Nxe5と黒のナイトを取りますが、これが痛恨のミス。

Qh2#とg4のナイトの利きを生かしてチェックメイトされてしまいました。

 

 

逃げ場がなく綺麗なチェックメイトの形になってますね。

戻って、9.Nxe5ではRe1とするのが唯一正解の受けでした。

 

 

これならNxf3からQh2+とチェックされても、Kf1とキングを逃げることができるので、チェックメイトはされません。

戦力不足なので、黒もロングキャスリングをしてルークを攻撃に使ったりするのでしょうが、持ち時間が大差なので、もしかしたらビル・ゲイツが勝てたかもしれません。

とはいっても、カールセンのビショップ捨てのブラフも、ビル・ゲイツがチェックメイトをうっかりすることを見抜いてやってそうな感じがしますし、持ち時間のハンデくらいでは100回やって100回ともカールセンが勝ちそうな気がしなくもありませんw

 

まとめ

世界チャンピオンはやっぱり強い。

マイクロソフト社を作った大天才も、チェスの世界チャンピオンには歯が立たないことがよく分かる1戦でしたね。

Bill Gates vs Magnus Carlsen