最近は完全にトッププロのチェス観戦専門勢ですが、一時期Chess.comのレート上げにハマっていたことがあります。
チェス界隈だと、リアル大会で勝つための勉強法を紹介しているネット記事はいくつか見つかったのですが、ネット専門の記事はあまり見つからず・・・。
そういうわけで、完全に個人的な体験談ですが、かろうじて需要があるかもしれないので過去のことを思い出して書き殴っていこうと思います。
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チェスを始めた動機
日本でボードゲームというと、将棋>>>>囲碁>>>>>>>>>>チェスといったイメージです。
なぜ将棋でも囲碁でもなくチェスを始めたのかというと、私の場合は元々将棋のルールを知っていて、観る将(観戦専門)でした。
が、ほぼひきこもり生活をしていて昼夜逆転していたので、プロの公式戦は朝~夜がメインで深夜は対局の中継がほとんどなく、観る将なのに観戦できていませんでした。
しかし、チェスなら日本時間の深夜によくプロの対局中継があることに気づき、「チェスのルール覚えたら観るチェス勢になれるんじゃね?」と思ったのがきっかけです。
でもルールを覚えた程度の実力ではプロの指し手の意味がほとんど理解できず面白くなかったので、ネットチェスである程度強くなろうと決意しましたね。
Chess.comデビューからR1700を超えるまで

Wikiでチェスのルールを覚えて、入門書を読んでからChess.comでいざネットチェスデビューをしました。
ルール覚えた段階でのレートはChess.comのブリッツ(3分切れ負け)でR1400くらいでしたね。
多分これはチェス初心者の中では高いレーティングのほうだと思いますが、将棋の経験者だと駒の動かし方やルールに似ている部分もあるので、割と応用できてルールを覚えた時点でもそれなりに指すことができます。
将棋界のレジェンドの羽生さんなんかは、初めて出場した大きな国内大会で優勝してしまうというぶっ飛んだことをやっているので、将棋の実力に比例して、ルールを覚えた時点のチェスの棋力も上がるはずです。
それでネットチェスデビューしてからは、白番ではルイロペス、黒番ではスカンジナビアン・ディフェンスばっかりやってました。
白番でルイロペスをやっていたのは、「チェス 定跡」でググって出てきたのがルイロペスだったからですw
黒番のスカジナビアンは、とりあえずクイーンを大暴れさせて激しい展開になれば、将棋をやっていたときの経験が生きて勝ちやすいことに気づいたからでした。
あとは将棋にはないナイトの動きを把握するのがとにかく苦手だったので、とりあえずビショップでピンして、ナイトと交換しまくっていました。
途中からなんとなくビショップのほうがエンドゲームで働きが強いなと感じていましたが、それよりもナイトを盤上から消して読みの力が生かせる展開にしたほうが勝率が高かったので、気にせず続けていましたね。
チェスの能力というより、将棋をやっていた頃の経験で殴ってる感じで、R1700くらいまでは実戦オンリーで楽々突破した記憶があります。
R1700からのチェスの勉強法 「タクティクス+実戦」
R1700を超えた辺りから楽々勝つことができなくなってきたので、実戦オンリーから徐々にチェスの勉強もするようにしてました。
といっても、やったのはタクティクスを解きまくるという勉強だけです。
以下の記事でも紹介しているChessTempoのブリッツモードで、1日最低100問を正解するのを目標にやってました。

チェスを真面目にやっていた期間は半年くらいですが、半年の間でチェステンポの問題を1万問以上は解いてましたね。
絶対に強くなる勉強法の記事でも紹介しましたが、ネットチェスだったらタクティクスさえ解いていればある程度のレートまでは上がるくらい、コスパの良い勉強法です。

タクティクスをたくさん解くのが苦ではない方は、相性の良い激しいオープニングを選んで指すのがおすすめです。
ちなみに私はキングス・ギャンビット、ベンコー・ギャンビットなどポーンを捨てて激しい展開を狙う戦法ばかり研究して、レート上げしてました。
R2000からの勉強法 「オープニングを研究」
チェスのルールを覚えてR1400→R2000までは1ヶ月ほどで到達しましたが、R2000→R2400は半年くらいかかりました・・・。
まずChess.comでR2000を超えると、CMやNM、FMといったタイトル持ちとマッチングすることが増えてきます。(タイトル持ちと当たるとめっちゃ緊張しますw)
こういうプレイヤーはリアルトーナメントに出場して、定跡の勉強にも真面目に取り組んでいるので、Wikiに書いている手順しか覚えていないギャンビットでは、全く通用せずいつもボコボコにされてました。。。
そういうわけでR2000を超えてようやく真面目にオープニングを研究を始めました。
今までのオープニング選びの基準が、「タクティクスを解いているのが生かせるオープニング」だけだったので、勝率やオープニング理論などを学んで得意なオープニングを探すことに。
そんな中でお世話になったのが、チェスの玉手箱さんで、日本語で読めるチェスサイトの中で1番勉強になる素晴らしいサイトです。
このサイトの記事を全部読み込み、白番はクイーンズ・ギャンビット、黒番ではシシリアン・ディフェンスをメインで指すことに決めました。
といっても、メインラインはタイトル持ち勢に知識の差で全然勝てないので、実戦例の少ないマイナーなラインばっかり研究する作戦に出ましたw
持ち時間の長い対局なら、プロに選ばれることの少ないラインは何かと不都合が多いのでしょうが、所詮3分切れ負けの対局なら相手の経験が少ない変化を選んだほうが勝率が高いです。
あとはオープニングを勉強するにあたって、1分切れ負けをひたすら指して、Chess.comの解析機能でソフトの感覚を学ぶ勉強法をやってましたね。
Chess.comアプリだと過去に指した棋譜を開くだけでコンピュータが自動で解析してくれるので、非常に便利です。

1分切れ負けは指し手が荒くなるとか、読みが入っていないから無意味と批判されることが多いですけど、実戦不足を補うには良い勉強法だと思います。
・・・まああまりブリッツには役に立たないスキルも見についてしまいますがw

全ての人におすすめはできないですが、1分切れ負けで連敗しても熱くなりにくく、実戦不足を解消したいと考えている人には、1分切れ負け+コンピュータ解析で振り返りの勉強法もやってみるといいですね。
そんな感じで特別な勉強はやってないですが、
- ひたすらタクティクスを解く
- 3分切れ負けを集中して指す
- 1分切れ負けをひたすら指してコンピュータ解析で反省する
- オープニングは1つに絞って研究する
この4つを繰り返していたら半年くらいでR2400に到達することができました。
・・・が、それ以上上のレートは強い人ばっかりで全然歯が立たず、ちょうどチェスの勉強をするのも飽きかけていたので、R2400到達で引退してしまいましたw
将棋の経験値しかアドバンテージがない人間が、子どものときからやってる勢や、IM、GMとやりあうのはやっぱりきついというのが実感です。
特にGMにはブリッツ、ブレット共にボコボコにされましたね。対戦成績は5勝30敗くらいだったと思いますw
R2400程度の私と当たるGMは高齢の方か、お酒飲みながらやってレート急落中GMばかりだと思うのですが、さすがチェス最高峰のタイトル持ちはレベルが違います・・・。
Chess.comのレート上げでやらなくても良かった勉強法
というわけでChess.comでR2400になった勉強法などを晒してきましたが、その他にも色々試した勉強法があります。
「時間を割いたけど、この勉強法はやらなくてよかったな・・・」と思ったものもここで紹介します。
- 棋譜並べ
- エンドゲームの勉強
- プロのチェス観戦
まず①の棋譜並べに関しては、人によるところが大きいと思いますが、私のように棋譜並べでは真剣に考えられないタイプの人間には効果は薄いですね。
それでも棋譜を並べるのは好きなので、半年で1,000局ほどは並べています。・・・がこれは趣味のようなもので、レート上げを第一に考えるならばタクティクスを解いていたほうが良かったです。
ちなみに棋譜並べでは元世界チャンピオンのミハイル・タリの棋譜をメインで並べていました。
タリはめちゃくちゃなサクリファイスばっかりしているのですが、のちのコンピュータの解析によると、意外と最善手が多かったっていうエピソードがあるのが面白いです。
そして②のエンドゲームの勉強も、真面目に勉強しようと思ってオール英語のエンドゲームの名著と呼ばれる本を買って取り組んだことはありますが、ブリッツではエンドゲームになる頃には時間の落とし合いになるので、ほぼ不要です。
そういうわけでほぼエンドゲームの勉強をやっていない私は、KvsBNでメイトに持っていく手順もよくわかってません。
そして③のプロのチェス観戦ですが、上達目的としては全く役に立たない勉強法だなと思います。
1番楽しい勉強法ではあるけれども、楽しい勉強法は大体効果がないです。
やっぱり自分の頭で考えてタクティクスを解いたり、実戦をこなすのが1番ですね。
リアルチェス(OTB)の勉強法
Chess.comで3分切れ負け、1分切れ負けをメインにやっていた私ですが、リアルチェスをプレイしたことも何回かあります。
長くても1局6分しかかけない対局しかしない私にとっては1局に1時間以上かかることのあるチェスは未知の世界でしたが、Fritzというチェスソフトで疑似対局することでリアルチェスとのギャップを埋めることができました。

そしてFritzと対戦を重ねるにつれ、タクティクスだけではなくストレテジーの勉強も必要と痛感し、日本語で手に入る(役に立つ)チェス本はほとんど買い占めて読み漁ってましたね。
以下の記事で紹介しているチェス大全ⅠとⅡは特に勉強になった本で、リアルチェスで勝ちたい人は必見です。

リアルチェスの対局回数は少ないので、感覚でしかないですけど、Chess.comのブリッツでR1500くらいあればリアルチェスで全く勝てないってことはないんじゃないかなと思います。
リアルチェスは意外とガチ勢ばっかりじゃなくて、エンジョイ勢も多いので、チェス仲間を作りたい人は大会とかに積極的に参加してみるのもいいんじゃないでしょうか。
まとめ
私のChess.comレート上げ体験をまとめると、
- R1700まで→ひたすら実戦オンリー
- R1700からR2000→タクティクス+実戦
- R2000からR2400→タクティクス+実戦+オープニング研究
こんな感じです。
日本人にはあまりいないと思いますが、Chess.com専門でブリッツのレートを本気で上げたいと考えている方は、ChessTempoでタクティクスをひたすら解くのがおすすめです。
1万問解き終える頃にはR2000くらいにはなっているんじゃないかと思います(多分)
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