ビットコイン

ビットコインの相続問題について考えてみた

ビットコイン、イーサリアムを始めとした暗号資産は財産として認められ、相続の対象になります。

相続の対象になることは私自身前から認識していましたが、「まだ金額としても大したことないし後回しにすればいいや」と思っていました。

しかし暗号資産は遺族が暗号資産を相続できなくても相続税が発生する可能性があり、ここ数ヶ月のビットコインの爆上げによって早急に対処をしないといけない状況になっています。

というわけでこの記事では私がビットコインの相続問題で色々考えたことをまとめてみたいと思います。

 

暗号資産の相続問題は誰もが真剣に考えないと行けない理由

 

私は暗号資産ではビットコインのみ保有をしており、ハードウォレットで管理をしています。

私が使っているハードウォレットはLedger Nanoシリーズですが、4〜8桁のパスワードか12or24の単語(リカバリーフレーズと呼ぶ)を把握していれば自分のビットコインにアクセス可能=日本円に換金ができます。

しかしパスワードも12or24の単語も家族や友人など誰にも話していないため、私が事故や病気で死んだ場合永久に失われます(界隈ではGOXと呼ばれる状況ですね)

庶民にとっては結構な大金になりつつあるので、これがGOXして相続できなくなっただけでも遺された家族にとっては痛手ですが、それだけでは済まない可能性があるというのが冒頭で「相続税が発生する可能性がある」ということです。

というのも税金を取る側にとってはビットコインや暗号資産が本当にGOXしたかどうかなんて調べる術がなく嘘をつかれているかもしれないので「疑わしきは課税する」のスタンスで相続税が取られるわけですね。

本当にこういう事例があるのかとかは分からないですし、法律は全くの素人なので詳細はよくわかりませんが「死んだときのことを考えないと遺された家族が相続もできず相続税だけ取られる可能性がある」ということは意識をしておく必要があるのは間違いなさそうです。

 

暗号資産を取引所に預けておけば相続問題は解決

ビットコインやその他暗号資産を管理する上で最もポピュラーなハードウォレットの場合、ビットコインにアクセスできるパスワードやリカバリーフレーズを教えておくのはセキュリティに大きな問題があります。

また、ハードウォレットは高齢の方だとなかなか操作が難しい代物となるため、その点についても注意が必要です。

そこでハードウォレットではなく、日本の暗号資産取引所に全ての暗号資産を預けておけば、パスワードを教えておく、あるいは難しい操作も必要もなく相続の手続きができます。

調べれば↑のように各取引所の専用の相続手続きのページが出てくるので、家族には「○○で暗号資産を持っているから、自分が死んだら問い合わせをしてほしい」とお伝えしておくだけでOKです。

このように相続問題を解決することだけを考えれば、暗号資産を全部取引所に預けておくのが1番簡単ではありますが、取引所自体の破綻やハッキングされるリスクも考えないといけません。

個人的にはビットコインの自己責任な思想が好きなので、秘密鍵は取引所ではなく自分で管理をしたいと思っていて、相続問題のためだけに取引所に預けることはできません。

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ハードウォレットで相続する方法

 

取引所に預ければ簡単だが個人的には採用できない…ということで、なんとか今私が管理しているハードウォレットのパスワードかリカバリーフレーズを家族に伝える方法を模索してみます。

まずパスワードやリカバリーフレーズを直接全部教えるのはNG。やはり妻や親友、子供と信頼おける相手であっても人生は何が起こるか分かりませんので完全に信頼しきるのは良くないです。

ただパスワードを教えておいて、ハードウォレットは自分以外が取り出せない金庫などに隠しておくというのはありかもしれません。

自分が死んだらどこかの業者にでも頼んで金庫を開けてもらえば問題ありません。

ただしこの方法には色々問題があって、まずハードウォレットのパスワードを教えた相手に強引に金庫を開けられたりしたら終わりです。

また、ハードウォレットはこの世に誕生してまだ日が浅いので長期間置いてもちゃんと起動するのか?など疑念も残ります。

その他にも私が使っているLedger Nanoでは起動時のパスワードを3回入力を間違えるとデータがリセットされるので、操作に慣れていない初心者にやらせると入力を間違えてあっという間に3回ミスでリセット…という危険性もあります(予め別のハードウォレットを用意して練習させる手もありますが)

他にもLedger社の製品に脆弱性が発見された…とかもあり、なるべくはリカバリーフレーズのほうを伝えておきたいところです。

リカバリーフレーズさえ知っていればLedgerのハードウォレットにこだわらず、TREZORなど互換性のあるハードウォレットで復元ができるのが嬉しいポイントです。

 

リカバリーフレーズの伝え方

 

12or24の単語を全部伝えるとか、紙に書いたメモのありかを教えるのはリスクが高いので、分割して家のどこかに隠しておくとか工夫が必要です。

私が考えたのは、防火性、防水機能のついた普段から盗まれたり開けられにくい金庫に2〜3単語だけ空白にしたリカバリーフレーズのメモを入れておき、残りの単語は学生時代の卒業アルバムなどゴミとして捨てられにくい物に書いておく方法です。

そして金庫の中にはリカバリフレーズのメモの他に残りの単語は卒業アルバムに書いてあると記しておきます。

金庫のパスワードや鍵は自分で管理しておき、死んだら業者に開けてもらうように指示をしておけば生きている間に家族にビットコインを奪われる危険性はかなり低いです。

ただ、この方法の問題点はビットコインに詳しい泥棒とガサ入れを喰らったときにビットコインを全部奪われてしまう危険性が高いということです。

泥棒に対しては戸締まりやセキュリティ対策のしっかりした家に住む、ガサ入れに関しては納税とかをしっかりしてガサ入れされるようなことをないようにする、などやっていくしかありません。

泥棒とガサ入れ対策をするなら空白にした2〜3単語のありかを明記せず、どこかにこっそり隠しておくか天空の城ラピュタのように単語を覚えさせて口にさせないようにするとかもありますが、今度は家族の相続の難易度が上がってしまいます。

私の知能レベルと想定している環境ではすっきりするものがありませんが、現状は金庫に2〜3単語抜いたリカバリフレーズのメモを入れておき、残りの単語のありかは口頭で伝えておく家族をやや信じるスタイルにし、泥棒とガサ入れに強い形にしておこうと思います。




無事に秘密鍵の受け渡しができた後について

自分が死んだあと上記の策で秘密鍵を無事に家族へ受け渡しができたとしても、ハードウォレットから取引所へ送金をして換金をする方法も書き残しておく必要があります。

というか現状受け渡しをすることになりそうな家族はいずれも取引所の口座開設をしていないので、そこから手続きが必要になってきます。

今は便利な世の中になってきたので「ググる」ということを知っていれば大抵のことはなんとかなりますが、なんていうキーワードでググればいいかとか書いておくつもりです。

あとは相続税などの詳細は税理士に聞くようにしてもらうことも書いておく必要がありますね。

不動産とかなら誰かしら人が間に入ってくるので相続税が発生する話とかも耳にすると思いますが、ビットコインの換金の過程では人が間に入らないので、税金を収めること忘れていた・知らなかったで知らないうちに脱税をさせてしまう可能性もあります。

そして手順を書き残して金庫に入れておいて終わりではなく、記しておいた手順が最新の内容と合っているかどうか日々チェック・アップデートが必要となり、このメンテナンスもかなり面倒くさそうです。

 

まとめ

長文になりましたが、ビットコインの相続問題について考えたことをまとめてみました。
相続ができないだけではなく、受け取れていないビットコインに対して相続税がかかるかもしれない現状なのでちゃんと考えておく必要があります。

ただ相続の方法はビットコイン関連の開発が進むことでもっと楽になるんじゃないかと期待はしています。

もっと世界的に普及が進めばビットコイン富豪の相続問題が話題になると思いますし、法整備も進んでいくはずです(規制ばかりの日本はどうかわかりませんが…)

最後にこの記事を書いたのは技術的なことは全く分からない、普段取引所でビットコインを買ってガチホしているだけの素人なので、私の知らない相続方法があるかもしれませんし、もっとスマートな秘密鍵の隠し方があるかもしれません。

相続を意識して秘密鍵のありかを家族に伝えた結果、家族にビットコインを奪われて夜逃げされた…!なんてことにならないように、緻密に検討を重ねた上で秘密鍵の取り扱いを決定するようにしましょう。