書評

【書評】米国投資の本は「米国つみたて投資」の1冊読めばいい

毎月3万円で3000万円の「プライベート年金」をつくる米国つみたて投資

米国への投資がおすすめという話はよく聞くけれど、

  • なぜ米国なのか?
  • 米国に投資するとどんな良いことがあるのか?
  • 分散投資はするべきか、どのファンドに投資するべきなのか?

と、色々疑問が尽きませんよね。私もそうでした。

これらの疑問に答えてくれるのが、今回紹介する一冊、毎月3万円で3000万円の「プライベート年金」をつくる米国つみたて投資 です。

 

投資の知識がほとんどない私でもすんなり頭に入ってくる構成となっていて、米国投資を始めたい人はもちろん、初めての投資本購入にもおすすめの一冊ですよ!

 

どんな本なのか?

著者の太田創さんは投資信託の管理業務に携わる仕事をしており、その傍らでは自ら約1000本の投資信託へ投資をしているスペシャリストです。

そのスペシャリストが米国投資で3000万円のプライベート年金を作るために米国投資をおすすめするのが本書の主題となっています。

第1章では下がり続ける退職金上がらない給料老後にいくらお金が必要かなどを説明し、資産運用の重要性を説いています。

投資は早く始めれば始めるとほど、「時間を見方につける」ことができて有利になり、3000万円もより少ない元出で貯めることができることができるそうです。

そして第2章からはなぜ米国に投資するのか、具体的な投資方法やおすすめファンドが紹介されています。

 

投資本にありがちな、「結局なにをどうすればいいのか?」と思わせるふわっとした言い回しではなく、具体的にどう行動すればいいのかも本書でズバリ言い切ってくれているので、投資初心者にはありがたいですね。

なぜ新興国投資ではなく米国投資なのか?

本書では10年〜40年の長期間つみたて投資をおすすめしていますが、長期間投資なら新興国のほうがいいのではないかと思う人もいるかもしれません。

新興国はこれからぐんぐん成長していくので、それに伴い株価も上昇していくはずです。

ならば長期間投資するなら成熟している米国より新興国のほうが儲かりそうな気がしますよね。

しかし本書では新興国より米国に投資するべき理由についてばっちりと答えが載せられています。

新興国の株式に投資するうえで一番懸念すべきことは、値動きが激しいことです。リーマンショックは米国が震源地であり、もちろん米国の株価は大きく下げましたが、その煽りを受けて、新興国の株価はさらに大幅に下落しました。

(中略)

激しい値動きは投資経験のない人にとっては、強いストレス以外の何者でもないでしょう。なので、新興国は長期的な成長が期待できるかも知れませんが、ポートフォリオ(運用資産)の核には成り得ません。

毎月3万円で3000万円の「プライベート年金」を作る米国つみたて投資より引用

 

長期間つみたて投資をしていくにはメンタルがもっとも重要となっていくので、投資経験の少ない人は値動きの激しい新興国への投資はせず、確実な経済成長が見込める米国に投資するのが1番ということですね。

そして米国つみたて投資だけだと、米国がコケたときに大損しそうだから日本や中国などに分散投資したほうがいいのではないかという考えに対しては、の実体経済は米国を中心に1つになりつつあるため、わざわざ分散投資をする必要もないと述べています。

S&P500かダウ平均か

ダウ平均株価という指数自体は投資に馴染みがない人でも耳にしたことがあるでしょう。

逆にS&P500は投資を少しかじったことがある人ではないと聞いたことがない言葉かもしれません。

 

一方のダウ平均は30銘柄だけで構成された指数となっていて、S&P500と比べると数が非常に少ないことが分かります。

米国に投資と言ってもどの指数に連動しているファンドに積み立て投資をするか決めないといけず、ダウ平均かS&P500どちらか選ばないといけません。

本書ではダウ平均とS&P500を期間ごとにどちらの方がリターンが高かったかグラフ付きで紹介していますが、リターンはほぼ変わらず、最終的には個人の好みになると締められています。

また、本書では詳しく触れられていませんが、約3600銘柄と米国株の100%をカバーするVTIという指数もあり、よくS&P500と比較されています。

しかし結局はVTIもダウ平均、S&P500と同じくリターンはほぼ変わらないので、やっぱり最終的には好みの問題になりますね。

そして私は長い間S&P500とVTIどちらに投資したほうがいいのかと悩んでいたのですが、この悩みに対して本書は以下のようにバッサリ斬り捨てています。

くれぐれも同じS&P500指数に連動する投資信託を複数買うことのないように。もしくはニューヨーク・ダウに連動するタイプとS&P500指数に連動する2本の投資信託に資金を分散するのも、全く意味がありません。

(中略)

あれこれ買うと不要な手間や時間コストがかかるということです。つまり”トータルリターン”が下がります。

 

米国のインデックス指数はどれも同じようなリターンなのだから、どの指数に投資をするか決めたらそれ1本に絞って投資せよという教えですね。

私も色々悩んだ結果、結局楽天VTIに絞って投資することにしました。

https://ofutonman.com/vti-sp500

米国への投資方法をひと目にまとめると

本書ではダウ平均やS&P500など投資すべき指数や、買うべき投資信託、使うべき金融機関などなど紹介されています。

その紹介されている内容をさらにひと目で分かるようにまとめると以下のようになります。

  1. ネット証券で口座を開く
  2. iDeCoとNISAを活用する
  3. 5千円でも1万円でもいいから早く半強制的に投資する
  4. eMAXIS Slim米国株式(S&P500)もしくはiFree S&P500インデックスに投資する

こうしてまとめてみると、かなりシンプルで長期間続けやすい米国つみたて投資だと思います。

ちなみに私自身はというと、楽天証券のつみたてNISAで月に1回約4万円を自動的に、eMAXIS Slim米国株式への投資にあてていました。(現在はスリムS&P500から楽天VTI投資へ切り替えています)

 


(↑現状は良いリターンを叩き出しています!)

 

あらかじめ証券口座とつみたてNISA口座の開設をしていれば、月に1回自動でつみたてしてくれるように設定するのは1分もあれば完了するほど簡単です。

あとは銀行に引き落とされる分のお金を用意するだけですからね。

 

 

まとめ

最近私の周りにも投資を始めようとしている人が増えていて、おすすめのファンドを聞かれたりする機会が増えてきました。

色々思うところはあるのですが、いざ説明するとなかなか言葉が出てこないので、今度からは米国つみたて投資を1冊紹介しようかな、と思わせるくらい初心者におすすめの1冊となっています。

米国投資に興味のある方や投資初心者の人はぜひ手に取って読んでいただければと思います。